「格差社会」
今、日本では所得の格差が問題になっています。要するに、貧しい人はより貧しく、豊かな人はより豊かになってしまう不平等な社会のことです。
ファッションの世界にも、この格差社会が生まれつつあるようです。
つまり、おしゃれに対する意識が高い人は、パーソナル・スタイリストなどの役立つサービスを積極的に活用して、これからもどんどんおしゃれになっていきます。
一方、おしゃれが苦手な人やおしゃれに関心がない人は、パーソナル・スタイリストを活用するメリットに気づかず、いつまでたっても自分のスタイルを見つけられずに、おしゃれな人との差がどんどん大きくなってしまいます。
結果として、「とてもおしゃれな人」と「まったくおしゃれではない人」という二極化された社会が生まれてしまうというわけです。
このままでは、ファッションに関する貧富の差がどんどん大きくなってしまいます。
良いか悪いかは別として、それは私が望むような社会ではありません。
アパレル業界を飛び出して、派遣社員として一般企業の事務職に就いた私は、まず、周囲の人々のおしゃれに対する意識の低さにショックを受けました。服装に対する気配りがなく、毎日地味な格好で出社してくる人々を目の当たりにして、今まで普通と思っていたアパレル業界が、おしゃれに関しては特別な世界であったことを思い知りました。
もちろん、おしゃれが生活の「大半」を占めていたアパレル時代が普通の状態だと思っていたわけではありません。でも、少なくともおしゃれが生活の「一部」であることは間違いないと思っていました。
ところが、アパレルとは無関係の一般企業に入ってみると、その考えさえ間違いであることに気づかされたのです。 |